正常眼圧緑内障 正常眼圧緑内障
 

正常眼圧緑内障

緑内障は、視野の一部が欠けて見えにくくなる目の病気です。進行性なので次第に見えにくい部分が増え、そのまま放置していると失明にいたることもあります。
眼圧が高い緑内障よりも眼圧が正常範囲にありながら緑内障になる、正常眼圧緑内障が日本人には非常に多く、緑内障全体の7割以上を占めています。
それだけに最近は「40歳をすぎたら」、あるいは「老眼が入ってきたら」、緑内障の検査をしたほうがいい、といわれるようになっています。
早期発見のためにも、正常眼圧緑内障について知っておきましょう。
(※1) 厚生労働省による研究報告(2009年)によると、中途失明(成人)の原因として第1位が緑内障(26%)、第2位が糖尿病性網膜症(21%)、第3位が網膜色素変性症(9%)となっています。

正常眼圧緑内障 原因と症状

健康診断などによる眼圧検査では10~21mmHgの範囲なら正常とされます。
一般に眼圧が高くなると、視神経が圧迫されて、障害を起こしやすくなります。緑内障にはいくつかのタイプがありますが、目のなかの隅角という部分がふさがったり、房水の排出路が詰まったりして、眼圧が上昇することで発症するタイプがあります。

では、正常眼圧の場合は、どうなのでしょうか。実のところ正常眼圧緑内障の発症メカニズムは、まだよくわかっていません。しかし、正常とはいっても常に一定の圧力がかかっていること、また、視神経には個人差があり、眼圧や周辺の血液循環の悪化などが影響して、発症すると推測されています。つまり、なんらかの理由から視神経が傷ついたり、萎縮したりして、緑内障の症状が起こります。それが正常眼圧緑内障であり、しかも40歳以上では20人に1人という高い割合で起こることもわかっています。また、正常眼圧緑内障の場合、90%の方は自分が緑内障であることに気づいていません。視野狭窄がかなり進んでいても、ほかの部分(見える部分)がフォローするため、気づきにくいのです。それだけに、早期発見のための検査が重視されるようになっています。

狭義の原発解放隅角緑内障の中で広義では、正常なタイプの緑内障が90%です。これが正常眼圧緑内障とも定義されています。

正常眼圧緑内障の治療・手術

正常眼圧緑内障の早期発見には、眼科での検査が必須です。眼底検査と視野検査により進行程度を調べるものです。治療には主に、房水の生成を抑えたり、排出をうながすための点眼薬が使用されますが、点眼薬によっては、心臓病や喘息などに影響を与えるものがあるので、医師とよく話し合っておくこととお薬手帳も持参してください。

山田眼科